アメカジブランド論2(メーカー紹介編)
「リアル マッコイズ」 言わずと知れた、マッコイである。 私がマッコイを知った頃にはもうすでに全盛期を過ぎており、倒産寸前でした。 そのせいもあってか、一つ上の世代の人たちのブランドという意識が強い。 上の世代が持っているような強烈な思い入れは私にはありません。 ただ、好みの、いい作りの服を作ってくれるメーカーというだけだですね。 こう書くと冷淡な感想をマッコイに持っているように聞こえるかもしれないが、そんな事はないです。 バカ高いライダースを何着も買ってるし、マッコイブックは何度も読み返しているし、 かなり傾倒して散財していると思います。(ディープな方々の足元にも及びませんが) ただ、上の世代の人たちはマッコイを魂というか、精神性も含めて愛しているのに対し、 私は、優れた服を作る1メーカーという技術面でしか見ていないということ…… これはかなり大きな差だと思うんですよ。 また、その差が重要な意味を持つブランドでもありますし。 正直、上の人たちが持っているような感傷に対して嫉妬を覚えます。 この優れたブランドの成長を見つづけ、 その新製品に一喜一憂し、 胸を張って 「俺達がマッコイを育てたんだっ!!」 そんな風に思える人生はすごく幸せだと思う。 一応FJを核としたメーカーなのですが、私の所有FJはほとんどバズとフェローズです。 (マッコイはカスタムが完了したらUPする予定です。現在、デザインを練っている所なので、秋頃までお待ちください) 私の所有マッコイは、もしかしたら純粋なマッコイファンはいらないといいそうな物ばかりかもしれません。 「東洋エンタープライズ(バズリクソン、スタイルアイズ、シュガーケイン等)」 リーズナブルな価格で質のよい物を作り続けている。 FJを作らせても、スカジャンを作らせても、確実に合格ラインの物を、 他のブランドより安い価格で作る。 その分検品が甘いような気もするが。 買ったときからボタンがついてなかったりとか、 ジッパーの食い合わせが悪かったりとか、ボタンが妙に硬かったりとか (L-2B、一番下のボタンがきつくて何度もはめ返しているうちに破れました) 悲惨な目にあう事もあるので、 しっかりと細かい事を確認してからの購入をお勧めします。 定番モデルからキワモノまで大きな規模でいろんな物を作ってくれるのがありがたい。 2月頃には30%オフにしている事もあるので、割と購入しやすいメーカーかも知れない。 「ウエアハウス」 デニムメーカーとしても一流だが、職人気質でいいアウターも作る。 朴訥な雰囲気のクオリティの高い物、というのがウエアハウスの一番大きな印象だろうか。。 値段は高めの物が多いが、マッコイに比べたらいくぶんと良心的だと思う。 リペアなど、アフターケアもばっちりで、 なんだかんだで、現状では一番信頼できるメーカーという気がします。 「ドゥニーム」 いい色落ちの素晴らしいジーンズを作る。 その技術力をアウターにも向けてくれると嬉しいのであるが、 ほとんどデニム一本という雰囲気はHPの展示品を見ても明らかだ。 その姿勢はいっそのこと潔しとすべきかもしれない。 レプリカメーカーのジーンズを初めて試してみたいという人ならば、 ここをお勧めします。 一番現行品との違いを現してくれると思う。 「フェローズ(匠、CC MASTERS バンブルビー等)」 キワモノが多い印象があるが、FJもスカジャンもそこそこクオリティの高いものを作っている。 ディープなマニアには二番手メーカーというか、 物足りない部分ものあるかもしれないが、 いい意味でアルファやショットの持っているストリート感を、 残していると思う。 匠ラインは小じゃれてて本当にオシャレだと思う。 バンブルビーは単純にカッコイイ。 レプリカメーカーはどこか渋さを追求して、かっこよくなりすぎないように自粛しながら作っている気配があるが、 ここはそんなのお構いなしという感じがいい。 ただ、キワいデザインの宿命か、あきやすい気がしないわけでもない。 「ドライボーンズ」 ガッチャマンで言うとコンドルのジョー的な位置にいるというか、 王道からわざと外れた変化球狙いの服が多いと思う。 古着系の王道的なファッションを歩んでいる人は、 シャツとか帽子とか小物類を買っている人が多いのではないだろうか。 その独特の不良性を備えたラインはアメカジ野郎よりは、 むしろパンクの方々に愛されているような趣を感じる。 「レッドムーン」 ウオレットだけでなく、アウターもいい物を作る。 初期の頃は、かなり良心的な値段で作っていたのだが、 最近は全体的にはちょっと高いなあ……と感じる事が多い。 ただ、時々5万円くらいで鹿シャツを出したりと、気は使ってくれているようだ。 「モノを作るということは、最終的にはモノを作れる人を育てるということだ」 とかつて後藤オーナーがどこかで語っていたが、それは至言だと思っている。 「EVIS」 なんていうか、微妙な感じですね。 全体的に値段は高め。でデザインは面白いような気もするが、 ある意味で、全く冒険していないという気もします。 かつてはカッコいいと感じた、ペンキステッチも 今となってはもうおなかいっぱいでベタ過ぎるような…… ジーンズの色落ちはそこそこいいと思います。 あと、レプリカ系メーカーってどれだけ金かけても一般人には伝わりにくいじゃないですか? その点EVISならアピ−ル出来ていいのかなあ(笑 あのペンキステッチは夏にすごく映えると思いますが、 トータルでコーディネイトがうまい人が履いてないと、 どこか野暮ったく感じしてしまうような……。 「BOOT LEGGERS」 今、最も期待しているメーカー。 ジョー・マッコイのスタッフ4人が立ち上げたブランドで、作りのよさやアレンジに、独特のうまさがある。 赤や青のライダース、アマガエル色のスポーツJKTなど、 かなりキワいデザインの割には、 引き算がうまいので、それほど着にくくはない。 全体的に袖丈が長めに作ってあり、防寒度も高いので、バイク乗りにはうってつけのメーカーだ。 タグのデザインや、カラーリングにしても、 このところ停滞気味だったレプリカメーカー界に確実に風穴を開けたのではないか、 と私は勝手に思っている。 久々に袖を通す事によってトキメキを与えてくれるメーカーだ。 以上が、私が所有した事があるレプリカメーカーの紹介です。 その他にもフルカウントやスタディオダルチザン、サムライジーンズ、フラットヘッドなんかが人気があるようですが、 私は試した事がないので、特には語れないですね。、 あと、今はもう潰れてしまったシルバーストーンとか好きでした。 「エアロレザー」 全体的に作りが大きく(ウエアハウスで38のGジャン着てる人なら34くらいがジャスト)、 日本人には着にくいシルエットなのだが、 その無骨なシルエットが男心を狂わせてくれる。 馬革のなかでは革質はNO1と声を上げる人が多い。 価格も10万前後と良心的……か? (マッコイとかで普通に革モノのアウター買うとペラペラした革なのに15万くらいするんで……なんとなくそう思えてしまいます) マニアじゃない人にも一目で作りのよさが伝わるメーカーですね。 「VANSON」 しっかりとしたカウハイドで、ここも「安物メーカーとは全然違う」と、 一目でわからせる存在感を持っています。 安いところ探せばショットと大して変わらない値段で買えるみたいなので、 友達と差をつけたい君にはお勧めだ。(笑) 「SCHOOT」 まず、中学生が最初に憧れるブランドなのではないでしょうか。 で、少しずつ革ジャンの世界に入っていくと、 だんだんと離れていってしまうのですが、 また里帰りして戻ってくるのが多いのがこのメーカーの特徴かもしれません。 企画モノでいろんな別注をしているし。 作りはしっかりしているし、 安物っぽい革がくたびれてくると逆にワイルドになるという声も聞く。 マッコイ、ラングリッツなどを経験した後に、またショットに戻る人も多いようです。 釣りはフナに始まりフナに終わるというが、 革ジャンに置けるショットもそんな感じかもしれない。 その他国産ハーレー(アシックスが代理店をしている)やアビレックスなどが売れているみたいです。(お勧めはしませんが) 国産ハーレーに関してはそこそこ作りもいいし、 デザインバリエーションも豊富なのですが、 なぜか、ある日突然イヤになってしまうんですよねえ。 何かわからないんですが、精神性のものとか、 小さな男の見栄だったりとか……微妙ですね。 マッコイ×ハーレーも国産ハーレーなんですけどねえ(笑) もしかして、古着とかのディープな世界に染まった人は、 マッコイなんかも、寒々しくて着れなかったりするのかなあ……? アビレックスは現在ではB系ブランドと言う位置付けに収まってきているみたいです。 FJの草分け的なメーカーだったのですが、 レプリカと言う意識では作ってないような気がします。 ですので、古着やFJの世界に興味を持ってみたいという人はバズリクソンをお勧めします。 あとはルイスレザーなどが人気のようですが、私は試した事がないので、わかりません。 私はこれらのメーカーの商品がいとおしくて仕方がなく、 観ているだけで幸せな気分になれるので、 買いもしないで店で1時間くらい粘ったりもするのもしょっちゅうです。 普段リーバイスとかエドウィン買っている人から見たら高いと感じるかもしれませんが、 絶対に値段の分納得できる作りをしていると思います。 もし、これから、秋物冬物などを検討してらっしゃる方がいれば、 是非一度、覗いて貰えればなぁ〜って思います。 |